TOUR

【OZONEとの連携企画】東京のモダニズム建築

2017.11.18
https://accesspoint.jp/reports/%e3%80%90ozone%e3%81%a8%e3%81%ae%e9%80%a3%e6%90%ba%e4%bc%81%e7%94%bb%e3%80%91%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%81%ae%e3%83%a2%e3%83%80%e3%83%8b%e3%82%ba%e3%83%a0%e5%bb%ba%e7%af%89/

日時:2017年11月18日(土)13:30~16:30

見学場所:《MIDビル》、《麹町ダイビル》、《アンスティチュ・フランセ東京》など

参加者:19名

ナビゲーター:倉方俊輔

共同企画:リビングセンターOZONE

 

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リビングセンターOZONEとの連携企画として、事前に前川國男、坂倉準三、村野藤吾に関するレクチャーが行われました。その内容を受けて今回、定員20名のツアーを実施しました。定員に漏れてしまった方々に向け、同内容のツアーを計画しています。

 

ツアー当日は雨にも関わらず、多くの方にご参加いただきました。Ozoneから貸し出していただいた「インカム」というヘッドフォン付きのガイドは離れていても解説者の声が聞こえるのでとても便利です。いつか当法人でも購入したいですね!まず前川國男の事務所である《MIDビル》からスタート。師匠ル・コルビュジエが来日した際、このビルを訪ねたそうです。庭の片隅には建築素材の実験と思ぼしき痕跡が残されています。次に《珈琲ロン》を訪ねました。日曜日はお休みですが、偶然にも中に入ることができました。設計したのは建築家・高橋てい一に学んだ池田勝也です。

村野藤吾設計の《麹町ダイビル》は都心と思えない静かで緑溢れる立地にあります。大きく育った樹木の奥から西洋風のお城を彷彿とさせるファサードが現れ、一堂から声が上がりました。プレキャストコンクリートのファサードは、よくみるとシンメトリーでないのが特徴です。現在はMASH HOLDINGSというファッションやビューティに関するブランドの本社ビルになっています。

 

大江宏設計の《法政大学55・58館》もまだ健在でした。実は今年4月にもアクセスポイント主催でこの界隈を巡るツアーを行いましたが、その時すでに解体工事が着手されていたので、まだあるかどうか恐る恐るでした。幸いにも躯体はそのまま残されており、二つの並んだ建物の構造の特徴がよく見て取れました。

4月のツアーレポートはこちら。

 

最後に坂倉準三設計の《アンスティチュ・フランセ東京》へ。この建物はフランス語教室だけでなく、図書館利用者、映画上映会や講演会への参加者など、多くの人に広く開放しています。フランスに関わる各種イベントが定期的に行われていますので、是非ご利用ください。ツアーでは倉方の解説を聞きながら、正面階段、大きな通路、二重螺旋階段など、実際に空間を移動しつつ、坂倉建築の特徴を掴みました。

 

このように実際の建築を見て、体験することで、通常の講義だけでは知り得ないデイテール、素材感、空間スケール等を体験ができるのが建築ツアーの醍醐味です。私たちの活動は専門家が語る《生の建築講座》だと自負しています。建築の知識がなくても、誰でも気軽に参加できます。皆様のお越しをお待ちしています!

レポート:和田菜穂子