TOUR

モダン建築トークツアー「坂倉準三のアンスティチュ・フランセ東京と巨匠の足跡」

2017.04.22.
https://accesspoint.jp/reports/%e3%83%a2%e3%83%80%e3%83%b3%e5%bb%ba%e7%af%89%e3%83%88%e3%83%bc%e3%82%af%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%80%8c%e5%9d%82%e5%80%89%e6%ba%96%e4%b8%89%e3%81%ae%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%82%b9%e3%83%86%e3%82%a3/

日時:2017年4月22日(土)14:00〜17:00

見学場所:珈琲ロン、法政大学、アンスティチュ・フランセなど

参加者:16名

ナビゲーター:倉方俊輔

 

四ツ谷、飯田橋を巡るモダニズム建築ツアー。最初は四ツ谷にある「珈琲ロン」(1954年)からスタート。なんと休日休みのところ、偶然にもマスターにお店を開けていただきました。設計者は高橋てい一に師事した池田勝也(手塚由比さんのお父様)。建築計画に則り、人体の寸法体系に基づいた教科書的な設計で、手数が少ないモダニズムの基本形。喫茶店らしさとモダニズムが奇跡の融合を果たしています。

 

次に飯田橋へ移動し、大江宏が1950年代に設計した法政大学へ。裏へ回ると、一連の校舎のうち、55年館は取り壊し直前。仮囲いの間からその構造がよく見えました。例えば、低層階と高層階の階高の違い、スロープ、丸柱、などなど。表の顔(ファサード)と裏の顔(ファサード)は全く異なっていますね。

 

さて、最後は1951年に開館した《アンスティチュ・フランセ東京》(旧東京日仏学院)。ル・コルビュジエに師事した建築家・坂倉準三の設計です。ル・コルビュジェの弟子の中でも坂倉準三は前川國男と違い、師に敬意を払いつつも独自性を打ち出しています。空間に流動性をもたらす手摺、館長室に繋がる二重螺旋階段、部分的に青いタイルを用いたファサード、などなど。フランスらしい機知が設計にも現在までの良好な使われ方にも、発揮されています。開放感の中に戦後モダニズムの初心を感じることができる名作です。

 

ちなみに図書館は誰でも自由に利用することができます。フランス映画上映会やトークイベントなど、各種イベントも満載です。建築だけでなくフランス文化に触れることを目的に、施設を訪ねてみるのもよいかと思います。個人的にはレストランのランチがリーズナブルでおススメです!

 

レポート:和田菜穂子