TOUR

【山手線さんぽ】高輪ゲートウェイー品川

2021.04.28
https://accesspoint.jp/reports/yamasan-takanawa/

日時:2021年4月28日(水)9:30~12:00

見学場所:《高輪ゲートウェイ駅》(隈研吾、2020)、《高輪消防署二本榎出張所》(越智操、1933)、《グランドプリンスホテル新高輪》(村野藤吾、1982)、《旧竹田宮邸》(片山東熊、1911)など

参加者:6名

ナビゲーター:和田菜穂子

 

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ツアーレポートは初めて参加した学生インターン希望の井口裕一郎くん(慶應義塾大学経済学部4年)によるレポートです。

 

最初に見学したのは集合場所でもあった《高輪ゲートウェイ駅》(隈研吾、2020)です。駅構内はとても広々としていて巨大な吹き抜け空間となっています。床や柱には木材が使われていて、日本らしい和の雰囲気を感じました。この和のテイストは屋根にも表現されていて一枚の開いた「折り紙」をイメージしています。素材も白いテントのようなものを使っていて、そこから日光が差し込むことで自然の温かみを感じられました。そして当日は見ることができませんでしたが外国人向けの大きな電光掲示板や多言語話せる案内ロボットもいるそうで、近未来的な要素もあります。また、隈さんはSDG’sへの取り組みにも積極的です。屋根の一部には太陽光パネルを取り付けたり、ホームのすぐ近くに小さな風車を設置したりと環境への配慮が素敵でした。

 

駅から離れて桂坂を上っていくと両側には立派な石垣が並んでいました。この石垣は江戸時代から残っていて、高輪海岸に沿って造られました。坂の途中には旧朝吹邸など立派な建物が立ち並んでおり、風情を感じました。

 

坂上には《高輪消防署二本榎出張所》(越智操、1933)があります。この建物はドイツ表現主義を採用していて曲線的な美しさとレトロな雰囲気が印象的でした。消防署ですので高いところから火事が起きていないか確認するために街を見下ろせるような坂上に建てられています。

 

続いては《グランドプリンスホテル新高輪》(村野藤吾、1982)です。ここでは村野さんのこだわり抜いた細かいディテールをたくさん感じ取ることができました。まず従業員専用のエントランスに行くと裏口でも全く手を抜かず、滑らかな曲線と細かく貼られたタイルから村野さんの意匠を感じました。ホテルのロビーはオリジナルから変わってしまっているそうですが、アコヤ貝が敷き詰められたエレベーターや灰皿モチーフの照明は残っていました。また、今回は中に入ることが出来ませんでしたが茶室も外から眺めました。洋風なホテルだけでなく和風の建物も得意なことも特徴の一つで、伝統を踏襲しながらもその中で村野流が表現されていて感動しました。

 

最後はグランドプリンスホテル高輪の方に向かい《旧竹田宮邸》(片山東熊、1911)を見学しました。片山さんはジョサイア・コンドルの一期生の弟子で、辰野金吾、曽禰達蔵らと同期です。バロック様式の洋風なデザインが特徴的で中を覗くと床のモザイクタイルや照明など細かい部分にもこだわりを感じました。

 

高輪ゲートウェイー品川区間は隈さんの最先端の駅舎から始まり、風情ある街並みや建物の歴史も感じることができるのでワクワクする場所でした。

 

学生インターン:井口裕一郎(慶應義塾大学経済学部4年)