TOUR

【山手線ツアー】田町ー高輪ゲートウェイ

2021.09.11
https://accesspoint.jp/reports/yamanote-tamachi/

日時:2021年9月11日(日)9:30〜13:00

見学場所:《建築会館》(秋元和雄、1982)、《慶應義塾大学三田キャンパス》(曾根中條建築事務所、槇文彦ほか)、《蟻鱒鳶ル》(岡啓輔)など

参加者:10名

ナビゲーター:和田菜穂子

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山手線ツアー1巡目の最後のエリアは田町駅から高輪ゲートウェイ駅までの区間でした。まず訪れたのは、《建築会館》です。田町駅側のファサードはオフィスビルのようで、慶應仲通り側は周囲の飲食街に溶け込むような雰囲気ですが、よく見ると門には風格があり、細かいディテールが凝っているデザインになっています。

 

そのまま慶應仲通りを通って《慶應義塾大学三田キャンパス》へ。槇文彦の《大学院校舎》や《図書館新館》、曾禰中條建築事務所の《第一校舎》や《塾監局》などを見ながら《図書館旧館》に向かいました。教職員さえ入れなかった《図書館旧館》ですが、今年より福澤諭吉記念慶應義塾史展示館としてオープンし、一般の人も入れるようになっています。展示や階段室のステンドグラスを見た後、併設されているカフェにて、山手線ツアーの振り返りなどを行いました。

 

休憩後には、日本初の“演説”のための建物《三田演説館》を見て、その先にある南館屋上の《ノグチルーム》に向かいました。谷口吉郎による建物設計と、イサム・ノグチによるインテリアデザインのコラボレーションで、部分保存されているものです。和田先生は当時の白黒写真を見せながら、他の校舎も縦長の窓でファサードが統一されていたことを解説してくださいました。

 

三田キャンパスを出て向かったのは、《蟻鱒鳶ル》です。岡啓輔の自邸であり、セルフビルドの鉄筋コンクリート造のビルです。コンクリートのレシピや即興的な設計について、岡さんから直接いろいろなお話を伺い、内部を見学させていただきました。数日前に囲いに覆われたようですが、これから数年で完成させるそうです。

 

その後、丹下健三設計の《駐日クウェート大使館》やウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計の《キリスト友会日本年会》などを見ながら高輪ゲートウェイ駅まで歩きました。

 

1年以上続いた山手線ツアー1周目の最終回ということで、参加者の皆様はすっかり顔見知りとなり、それぞれ気になったポイントについて話し合っている様子が見られました。カフェでの振り返りの際にも感じましたが、このツアーの醍醐味は建物見学だけではありません。参加者同士の会話や偶然の出会いによって、思いがけないことを発見できるのがツアーの楽しさなんだなと再確認しました。

 

レポート:三上佳祐(学生インターン)

慶應義塾大学理工学部2年