日時:2021年3月14日(日)9:30~12:00
見学場所:《東洋文庫ミュージアム》(三菱地所設計、2011)、《上富士前交番》(富永譲)、《ときの忘れもの》(阿部勤)、《滝野川教会》(遠藤楽、1991)、《駒込ガーデンテラス》(1974)など
参加者:12名
ナビゲーター:和田菜穂子
世界随一の東洋コレクションを誇る「モリソン文庫」を有する《東洋文庫ミュージアム》を訪ねました。書庫は圧巻です!これは1917年に岩崎久彌がジャーナリストのモリソン氏から一括購入した東洋に関する書籍を一堂に会した書棚です。背表紙がきちっと揃えられており、いわゆる「見せる書棚」としてミュージアムの目玉になっています。それ以外の膨大な資料は閉架式の図書室に所蔵されており、建物は開口部がほどんどない状態です。例外として1階の吹き抜けホールに大きなガラスの開口部がありますが、朝日が入るため残念なことにカーテンが閉められていました。時間の経過と共にカーテンやロールスクリーンは開閉されるそうです。外に出ると「知恵の小径」という歩道があり、各国の言語による名言が記されており、レストランまで続いています。
今回のツアーでは内部に入りませんでしたが、遠藤楽設計の《滝野川教会》を通り過ぎました。特に《百周年記念館》は一目でフランク・ロイド・ライトの流れを汲むデザインであることがわかります。遠藤楽の父遠藤新はライトの愛弟子であり、《自由学園明日館講堂》や《目白ヶ丘教会》などを設計しています。息子の遠藤楽は自由学園明日館の斜め向かいにある《婦人之友社》を設計しており、《滝野川教会百周年記念館》の外観とよく似ています。父遠藤新は自分の設計した《目白ヶ丘教会》で葬儀が執り行なわれましたが、遠藤楽のお別れの会は《滝野川教会》だったそうです。
その後、昭和の良き時代を象徴するようなテラス型の集合住宅《駒込ガーデンテラス》を通り過ぎました。各棟異なるリノベーションがOpenAなどによって行われており、今はちょっとしたおしゃれなデザイナー物件になっています。線路の向こう側には《東京新幹線車両センター》という新幹線の車両が並ぶエリアがあります。きっと電車オタクにはたまらないでしょうね!
レポート:和田菜穂子