日時:2022年5月8日(日)10:00-12:30
見学場所:国立西洋美術館(ル・コルビュジェ)、東京文化会館(前川國男)
参加者:12名(子ども7名、大人5名)
ナビゲーター: 和田菜穂子
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今回の「親子けんちくツアー」では5歳から小学校6年生まで幅広い年齢の子供たちと一緒にみてまわった。まずは国立西洋美術館へ行くことに。今まで改修工事を行っていたので私も久しぶりだった。それまでは前庭に植栽が多く植えられていたが、今回の工事で開館当時に戻り、最小限に抑えられていた。私たちは建物の内部に入る前にまずは外観をじっくり観察した。ル・コルビュジエのモジュロールの説明から入り、みんなで腕を上げて身体の寸法について楽しく学んだ。
次に国立西洋美術館に使われているコンクリートに着目した。木目がコンクリートに現れている。子供達は興味津々にコンクリートを触っていた。外観の特徴でもあるパネルに貼り付けられた石を見て、「緑には見えない!」との声が聞こえてきた。子供は素直な感想が言えるのだと思った。その後、館内に入り、19世紀ホールで西洋美術館の模型やパネルを一緒に見た。高い天井から入る光を眺める親子がいて、良い空間は年齢関係なく、共感できることを実感した。
その後、西洋美術館の耐震構造を見るため、地下に行った。日常で地下の耐震構造を見ることはないので、みんな興味津々な顔で見入っていた。最初は興味が無さそうな子もいつの間にか集中して話を聞いていた。私たちが作ったワークシート(クイズ)にも一生懸命答えてくれて、そのおかげで自分も元気になった。
次に東京文化会館へ行った。子供たちが1番興味を示していたのは水場の前にある塀のようなものであった。落ちないか少しヒヤヒヤすることもあった。東京文化会館には様々なカーブが存在している。そのことを知った子供たちは「ここにもある!」といろんな場所でカーブを発見し始めていった。またここでもコンクリートの木目の模様に気がついた子供たちは、いっせいにコンクリートに近づき、触り始めた。このコンクリートはさっきと同じ古いものか、それとも新しいものか、どっちだろう?と真剣な面持ちだった。隠れハートなるものを探している子もいた。
私たちは東京文化会館の外を一周しながら、外壁を直接触ったり、曲線があるところを探しながら歩いた。東京文化会館の内部は、色鮮やかで、照明も星のようにキラキラし、床のタイルは不規則なパターンである。親子が積極的に特徴を見つけ、話し合う光景は、楽しそうだった。また、赤い螺旋階段にみんなとても興味を示し、最後ははしゃいで楽しそうだった。
最後にクイズの答え合わせをし、皆で今回のウエケンツアーの感想を話しあった。「楽しかった、次も参加したい!」という声を聞き、このツアーが建築を好きになるキッカケになったらとても嬉しい。私たちも学生インターンとして良い経験になったと感じた。
学生インターン:廣澤有珠、弓削田希宣(日本大学芸術学部3年)