象設計集団の代表作である、埼玉県南埼玉郡宮代町にある《コミュニティセンター進修館》(1980)と《笠原小学校》 (1982)へ伺いました。《コミュニティセンター進修館》ではまず集会室で概要を説明していただき、その後空いている施設を特別にご案内いただきました。その日は大ホール、小ホール、和室が空いている日でしたので、じっくりと見学させていただきました。今もなお、地元の人たちに愛され続けている公共施設です。ぶどうの産地ということで、ところどころにぶどうや葡萄畑がモチーフになっています。 外壁はもともとはコンクリート打ち放しでしたが、ぶどう色に着色したそうです。富士山と筑波山を臨む軸線が建物を貫通する光路となっています。ちょうど私たちが伺った日は冬至で晴れていたので、光路に自然光が美しく差し込む様子を体験できました。
室名の表示サインは特徴的な文字を使っていますが、このサイン計画もまた象設計集団によるものだそうです。この日、小ホールには椅子が並べられていませんでしたが、議会の際は先のとんがった椅子が置かれ、議場として様変わりするそうです。大ホールにある緞帳は宇佐美圭司のデザインです。カフェや集会室、廊下にある家具のデザインはたくさんバリエーションがありました。円形に並べたり、用途に合わせて配置の組み合わせができる合理的なデザインです。
ナビゲーター:和田菜穂子