TOUR

【山手線ツアー】新大久保ー高田馬場

2020.12.06
https://accesspoint.jp/reports/shinokubo/

日時:2020年12月6日(日)9:30~12:00

見学場所:《新宿ホワイトハウス》(磯崎新、1957)、《新宿イーストサイドスクエア》(三菱地所設計・日本設計、2012)、《淀橋教会》(稲冨昭、1998)、《東京グローブ座》(磯崎新、1988)、《岩倉具視の旧家》(設計者、年ともに不詳)、《日本点字図書館》(鈴木エドワード、1998)

参加者:4名

ナビゲーター:和田菜穂子

 


新大久保は韓流好きの人が訪れる街として有名であり、韓国料理を食べにくる人々で今日も賑わっていました。また、韓国に限らず、アジア系の人が多く住んでいるようで、様々な国の言葉を話す人の声が聞こえてきました。

 

まず向かったのは、《新宿ホワイトハウス》(磯崎新、1957)。磯崎さんのデビュー作であり、中は吹き抜けの造りとなっています。2019年3月末まではカフェとして使用されていましたが、現在は、「 Chim↑Pom」という現代社会に目を向けた作品を作るアーテイストグループの拠点となっています。

 

軍艦のような形をしている軍艦ビルの前を通り過ぎ、次に向かったのは《新宿イーストサイドスクエア》(三菱地所設計・日本設計、2012)。日本テレビゴルフガーデンの跡地に建設された建物であり、SQUARE ENIXや東急ハンズの本社など、様々な会社がテナントとして入るオフィスビルです。不規則な凹凸のあるガラス窓が特徴的な建物です。外部空間は、曲線を用いたデザインであり、SQUARE ENIXのショップ兼カフェは卵のような特徴的な形態で目を惹きました。

 

《淀橋教会》(稲冨昭、1998)。稲冨さんは、MITやハーバード大学の大学院を修了した建築家であり、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの日本事務所で働いていました。国際基督教大学の建物を設計したことで有名で、クリスチャンです。本日は日曜礼拝をしており中には入りませんでしたが、クリスマスコンサートなどイベントのある日にもう一度訪れ、内部を見てみたいと思いました。外観はこの教会の裏にある駅のホームから見るのがおすすめです。これと良く似た外観の丹下健三設計の《東京カテドラル聖マリア大聖堂》には私はまだ訪ねたことがないので、今度行ってみたいと思います。

 

次の建物に向かう途中、百人町に寄りました。ここは1590年、徳川家康が江戸入府の際に、鉄砲同心が江戸の西の警備のために駐屯した場所です。鉄砲組は同心100人を配属されたので、百人組と呼ばれ、百人町の地名の由来になったそうです。現在は住宅街となっていました。

 

《東京グローブ座》(磯崎新、1988)に行きました。演劇やミュージカルが行われる施設です。建物の前には、磯崎新の妻だった宮脇愛子の作品「うつろい」が設置されていました。ワイヤーを使って流れるような曲線を表現した作品です。

 

1200年の歴史がある諏訪神社で御参りをしてから、玄國寺の境内の中にある《岩倉具視の旧家》に行きました。この家は岩倉具視が息を引き取った場所であり、元々は日比谷にあったものをこの地に移築したそうです。正面から見ると寺院建築のような伝統的な木造住宅ですが、応接間だけは外観が異なり洋風な造りになっています。窓ガラスなども当時のままだそうです。内部には入ることはできませんでしたが、暑さ寒さ防ぐことのできるコルクが敷き詰められているそうです。NHKの大河ドラマ「西郷どん」で岩倉具視が亡くなった回には、この家が紹介されたそうです。

 

「建物も人間と同じで生きており、音楽、香りなどが好きです。例えば木戸孝允と語り合った部屋では、毎日クラッシックの音楽をかけています。」とご住職の奥様がおっしゃっていました。お寺の方が今まで大切にされてきた気持ちが伝わってきました。お寺の門の四隅には小さな四天王の木造彫刻が施されていたり、地下には水晶を埋めて磁場を安定させていたり、譲り受けた桜の大木を大事に育てていたりなど、住職さんの心遣いの感じられるお寺でした。

 

最後に《日本点字図書館》(鈴木エドワード、1998)に行きました。視覚障害者の本間一夫が、25歳の時(1940年)に創立した日本盲人図書館が前身です。コンクリート打ちっ放しのビルから、無数の鎖がカーテンのように垂れているのが特徴的でした。

 

見どころ満載で新大久保の新たな一面を知ることができました。

 

学生インターン:舟山織沙

慶應義塾大学法学部1年