TOUR

パレスサイド・ビル特別見学ツアー

2022.07.05
https://accesspoint.jp/reports/palaceside/

日時:2022年7月5日(火)16: 00-18:00

見学場所:パレスサイド・ビル(日建設計、1966)

参加者:10名

ナビゲーター:磯 達雄

ゲスト:土屋哲夫(日建設計 設計プリンシパル)


まずは今回のツアーの目玉となる、地下フロアの見学へ。パレスサイド・ビルは毎日新聞社、リーダーズダイジェスト社、東洋不動産の3社が共同で施主となり建てたもので、地下2階から地下5階までには新聞社の印刷工場が入っていました。印刷機の大型化もあり、2003年に新聞の印刷工場は別の場所へと移りましたが、その場所は2005年以降、印刷会社の帆風がテナントとなり、竹橋プリンティングセンターとして使用しています。帆風の協力を得て、今回はその内部を回らせてもらいました。改修で床が打ち増しされ、当初の吹き抜け高さは失われていますが、それでも地下鉄より低い位置にこのような大空間があるとは、びっくりさせられます。

 

見学には株式会社毎日ビルディングの福田裕一朗さんが同行し、毎日新聞社の輪転機が動いていたときの様子も説明してもらいました。この地下工場を入れることを条件として、地上のオフィス階平面の設計も決まったわけで、その意味でもこの地下階を見られたことはとても有益でした。なお竹橋プリンティングセンターには、食品に印刷する設備もあります。それを使って日建設計のロゴをプリントしたマシュマロ菓子が、帆風からお土産として渡されました。思いがけないプレセントに、ツアー参加者は皆、喜んでいました。

 

 

続いて、8階にある日建設計の竹橋サテライトオフィスへ。ゲストの日建設計・土屋哲夫さんが、壁に展示されているパレスサイドビルの手描き図面や、ガラスとアルミキャスト部材からなる実際の窓周りを示しながら、設計のポイントを解説しました。本物を見ながらのお話は、やはり伝わりやすさが違います。

その後は、機械を目立たなくして公園のように整えた屋上、段板を浮いているように見せた「夢の階段」のある1階・地下1階の商店街、プレキャストコンクリート、レンガ、ガラスブロックなど多様な外装材が使われた外周りなどを鑑賞して、2時間の見学を終えました。

レポート:磯達雄