日時:2020年7月26日(日)9:30~11:30
見学場所:《ThinkPark Tower》(日建設計、2007)、《NBF大崎ビル》(日建設計、2011)、《大崎ニューシティ》(協立建築設計、1987)、《妙建山本立寺》(掘響一、1966)、《雉子神社、白雉子ビル》(村野・森建築事務所、1995)、《東京デザインセンター》(マリオ・ベリーニ、1991)
参加者:6名
ナビゲーター:和田菜穂子
山手線ツアー第3弾の今回は、大崎駅と五反田駅の間を歩きました。
大崎駅周辺は再開発が進められ、複合施設が多く立ち並んでいます。まず、駅の西側にある《ThinkPark Tower》(日建設計、2007)を見学しました。曲線的なデザインのテーブルや椅子が並べられたエントランス、緑豊かな遊歩道など、オフィスだけでなく共用スペースにも利用者が快適に過ごせるような工夫が感じられました。
隣接する《NBF大崎ビル(旧ソニーシティ大崎)》(日建設計、2011)の遊歩道の植栽は、木の成長スピードや花の咲く時期などをコンピューターで予測して設計されています。また、このビルはルーバーが水平に張り巡らされたファサードも特徴的です。外壁のルーバーは、内部に雨水を通すことで周囲の温度を下げ、ヒートアイランド現象を防ぐ役割も果たしているそうです。
駅の東側は、人工地盤の広場を取り囲むように《大崎ニューシティ》(協立建築設計、1987)などのビルが建ち、広場にはヨーロッパの公園をイメージした噴水や植栽が設けられています。ガラスなどを多用し軽やかな印象を持つ西口のビル群に対し、重厚感がある建物が多く、再開発が行われた年代の違いを反映しているように感じました。
五反田駅に向かう途中、《妙建山本立寺》(掘響一、1966)に立ち寄りました。境内には屋根の曲線が印象的なコンクリートの本堂を始めとして、近代の有名建築家の作品を連想させるような建物が多数並んでいます。このお寺はオープンしなけんに向けた現地調査の中で発見されたものだそうで、街の中にある、まだ知られていない魅力的な建築を見つけることの面白さを改めて感じました。
次に向かったのは、《雉子神社、白雉子ビル》(村野、森建築事務所、1995)です。レース模様の外壁が特徴的なビルの脇の石段を登っていくと雉子神社の拝殿が現れ、参加者の方の中からも驚きの声が上がりました。道路沿いの立地ながらも、ビルに遮られているため神社にふさわしい静かな環境になっています。
最後に、《東京デザインセンター》(マリオ・ベリーニ、1991)を見学しました。大通りに面した吹き抜けの大階段と馬の彫刻が目を引きますが、各階に設けられたテラス、ガラスのドームに包まれたエレベーターホールなど建物の裏側にも見どころが多くありました。
建物の中に入ったり、裏手に回ってみたりと、一つひとつの建物をじっくり観察することで多くの発見があるツアーだったのではないかと思います。
レポート:山東真由子(学生インターン)
慶應義塾大学医学部4年