日時:2020年9月10日(木) 20:00~21:00
見学場所:森の墓地(スウェーデン)
ナビゲーター:和田菜穂子
北欧建築紀行第4弾は、スウェーデンのストックホルムにある世界遺産「森の墓地」を訪ねました。建築家グンナー・アスプルンドとシーグルド・レヴェレンツの二人によって長い年月を経て完成に至った素晴らしい墓地です。美しいランドスケープが特徴で墓地内には建設年の異なる複数の礼拝堂があります。
アスプルンドの《森の礼拝堂》は最初に建設されたものです。小さな三角屋根が特徴です。その後、インフォメーションセンターを通り過ぎ、レヴェレンツ設計の《復活の礼拝堂》を訪ねました。新古典主義のデザインのため、荘厳な印象を持ちます。いろんな形の墓石が並ぶ墓地を通り過ぎ、最後に「森の葬祭場」へ戻ってきました。ここには大小3つの礼拝堂があります。火葬する間、待つための空間が整えられています。
墓地は愛する人の死を受け入れ、荼毘に付す「お別れの場」であり、お墓詣りで愛する人に「再会する場」でもあります。スウェーデンでは「死者は森に還る」という言い伝えがありますが、それを知らなかったとしてもその場に佇むと「森が全てを受け入れてくれる」そんな気持ちになるのではないでしょうか。
いつかみなさんをリアルなツアーでご案内できればと思います。
P.S. ツアー後の懇親会では、レヴェレンツ設計の《マルメの墓地》や、アスプルンドの影響を受けたと思われる、伊東豊雄設計の《瞑想の森》なども紹介しました。
和田菜穂子