日時:2023年1月14日(土)10:45~15:00
見学場所:《ザ・プリンス箱根芦ノ湖》(村野藤吾、1978)、《箱根樹木園休憩所》(村野藤吾、1971)
参加者:7名
ナビゲーター:和田菜穂子
新春企画は少し足を伸ばし、箱根でランチつき建築ツアーを行いました。素材の組み合わせや曲線美のデザインディテールに確固たる信念とこだわりを持ち続けていた村野藤吾。それらが凝縮した晩年の傑作の一つが《ザ・プリンス箱根芦ノ湖》です。老舗の日本料理店「なだ万雅殿」にてランチをとりながら、村野建築を堪能しました。メインダイニングのフレンチレストラン「ル・トリアノン」もご案内いただきました。同じ配置ですが、それぞれで照明デザインやインテリアが異なります。照明は村野のデザインで、一つは仮面、一つは馬の人形です。残念ながらメインロビーは改装工事中で見ることはできませんでしたが、新館の宴会場や客室を見せていただきました。
外に出ると霧で視界が悪く、「まるで北欧みたい、、、」と思ってみていたら、そういえば村野藤吾はスウェーデンでアスプルンドの建築を訪ね、影響を受けていることを思い出しました。
ホテル見学後は、箱根九頭龍の森まで散策し、村野設計の《箱根樹木園休憩所》(1971)を外観から見学。使われなくなってから随分経ちますが、何も手を入れずそのまま放置されています。大地からすくっと立ち上がったキノコのような建築です。ある意味、このまま自然に朽ち果てていくのは、この建築の最期に相応しいのかもしれない、、、と思いました。
企画:和田菜穂子