日時:2021年12月16日(木)16:30~20:00
見学場所:《グランドプリンスホテル新高輪》(村野藤吾、1982)、《高輪貴賓館》(片山東熊、1911)
参加者:21名
ナビゲーター:和田菜穂子
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学生インターン3名によるレポートです。ツアー後に高輪貴賓館の1室で懇親会を行いました。3名はクリスマスプレゼント交換などをサポートし、会を盛り上げてくれました。
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ホテル1階ロビーに集合し、和田先生によるツアーがスタートしました。ホテルの方の案内でまず向かった先は、茶室の《秀明》(村野藤吾、1982年)でした。にじり口のある本格的な茶室2つと、二間続きになっている和室を2つ見せて頂きました。それを総称して「秀明」と呼ばれています。どこの部屋も天井の高さや明かりの取り方がそれぞれ異なる点が印象的で、入った瞬間に居心地の良さを感じる落ち着いたお部屋でした。そんな秀明では日頃から、懐石料理を食べることができたり、茶道を習うこともできたりするそうです。続いて案内してもらったのはロビー階にある《メインバーあさま》(村野藤吾、1982年)です。天井が高く開放感がある一方、薄暗くて隠れ家のような印象も受ける大人な空間でした。置いてあるテーブルや椅子なども村野藤吾の設計で、全て茶色で統一されており、シックな空間を演出していました。一度座ると立ち上がることができなくなるくらい座り心地の良い椅子で、素敵なひと時を過ごせること間違いなしです。開業時からのメニュー「紅あさま」というカクテルを飲みながら、名物のボロネーゼを召し上がってみてくださいね。
舟山織沙(慶應義塾大学法学部2年)
次に客室の中でも、オリジナルが残っている部屋を見せていただきました。灰皿やサラダボウルに着想を得たというガラスの照明器具、うぐいすや梅など和のモチーフが散りばめられた門扉や、ドアノブなどを解説していただきました。また、スポーツ関係者や国際会議などにも利用される《国際館パミール》も見学しました。こちらは村野の没後に完成したものですが、和洋の要素を取り入れた天井の照明、エレベーターの装飾などは他の棟とも通ずる部分がありました。庭園には、奈良の寺院から持ち込まれたお堂や山門などがあり、散歩を楽しめるほか、透かし模様のあしらわれた半円形のバルコニーが並ぶホテルの外観を庭から堪能することができました。
山東真由子(慶應義塾大学医学部5年)
主にウェディング会場として使われている貴賓館を見学させていただきました。旧宮家である竹田宮の邸宅として、片山東熊によって設計され、1911年に竣工しました。1972年には村野藤吾によって改修されています。裏に回ると庭に面してプールがあります。内部の装飾は同じく片山東熊が設計した赤阪迎賓館離宮ととてもよく似ています。白を基調とした壁や天井にある漆喰装飾や金の装飾、大きな鏡やシャンデリアが印象的でした。今回は特別に神殿やチャペルも見せていただきました。
見学の後は貴賓館のとても豪華な一室でお食事会に参加させていただきました。和田先生や東京建築アクセスポイントの理事の方から建築にまつわるクイズがありました。最後にAP会員同士のプレゼント交換会が行われました。豪華なお料理も相まって、とても充実した懇親会&クリスマス会となりました。
宮下比菜子(慶應義塾大学法学部1年 )