TOUR

横浜モダン建築☆今昔物語

2018.3.20
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日時:2018年3月20日(火)14:00~18:20

見学先:《横浜税関本関庁舎(クイーンの塔)》、《東京藝術大学馬車道校舎》、《横浜市開港記念会館(ジャックの塔)》、《横浜情報文化センター》、《神奈川県庁本庁舎(キングの塔)》、《BankART Studio NYK》

参加者:6名+ベイビー1名

ナビゲーター:和田菜穂子

 

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ツアーは《横浜税関本関庁舎》の資料室からスタート。案内係の方から横浜港の成り立ちや歴史について詳しく解説いただきました。現庁舎は優美な3代目(1934)の外観を生かしながら2003年に設備を中心に改修され、最近リニューアルオープンしたもの。《クイーンの塔》として知られています。

 

次に向かったのは、《東京藝大大学院映像研究科馬車道校舎》。こちらは歴史的建造物である《旧安田(富士)銀行横浜支店》(1929)の建物を活用した施設で、今回は特別に中を見せていただきましたが、大金庫が物置になっていたり、ロビーがコンサートホールになっていたりとユニークです。外観も馬車道にふさわしい石造りの見事なものでした。

 

馬車道にはもう一つ明治の名建築があります。妻木頼黄設計《神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行本店)》(1904)です。こちらは外観だけの見学にとどめ、次の目的地、《ジャックの塔》で名高い《横浜市開港記念会館》(1917)へ。

 

記念会館の外観は赤レンガに白花崗岩のデザインで東京駅と同じ「辰野式」。設計はコンペにより行われ、福田重義案を元に横浜市の初代建築課長・山田七五郎が手を加えて完成。建物は関東大震災による火災や戦災で何度か被害に遭い、現在のドームは1989年の復元によるもの。内部は細かい修復による手の込んだ装飾があり見どころたくさんです。

 

県庁へ向かう前に、もうひとつ日本大通りに面して建つクラシックな《横浜情報文化センター(旧・横浜商工奨励館)》(1929)に立ち寄り、旧貴賓室を見学しました。和洋折衷の室内装飾が印象的でしたが、個人的には2階のヨーロピアンなカフェが気に入りました。

 

建物巡りの最後は《神奈川県庁本庁舎》(1928)へ。《キングの塔》で名高い外観は、帝冠様式建築のさきがけと言われています。スクラッチタイルとテラコッタ装飾の外観はフランク・ロイド・ライトの旧《帝国ホテル》を想起させるデザイン。内部の装飾も「宝相華」文様で独特の雰囲気です。屋上展望台から横浜港と市内のパノラマを展望しました。港側には《クイーンの塔》、裏手に回ると《ジャックの塔》、見上げれば《キングの塔》と、ここは「横浜三塔」のベスト・ビューポイントです。

 

最後に《BankART NYK(旧・日本郵船海岸通倉庫)》(1953)で開催中の「芸術家の棲む家」展に伺いました。和田さんのアレンジで3名の建築家の方々から、展示作品の解説を詳しくお話しいただき、それぞれのコンセプトや思いを理解することが出来たのは大きな収穫でした。建築ユニット「みかんぐみ」が手がけた館内の空間も素晴らしかったのですが、このアート展示空間も3月末で活用終了ということで残念です。

 

今回は横浜の歴史を建物巡りで体感し、最後は素晴らしい空間で建築をテーマとした展示鑑賞で締めくくるという贅沢なツアーでした。

 

 

レポート:大山光彦(社会人ボランティア・スタッフ)