日時:2018年6月4日(月)10:00~14:00
見学場所:グランドプリンスホテル新高輪 「和室 秀明」「和食 清水」「茶寮 惠庵」
参加者:4名
ゲストナビゲーター:佐藤健治(元村野・森建築事務所所員)
企画:和田菜穂子
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ゲストナビゲーターに元村野・森建築事務所所員の佐藤氏をお招きし、数寄屋建築の名手が手掛けた二つの茶室「和室 秀明」「茶寮 惠庵」を中心にグランドプリンスホテル新高輪のデザインディテールを散策しました。参加者の皆さんは熱のこもった佐藤氏の解説に真剣に耳を傾け、熱心にメモをとっていました。
何よりも驚きなのは、村野が老境に達し、90歳を超えてからの作品ということです。他界する直前まで現役だったとはいえ熟練した村野の手仕事は、年を重ねたゆえなのか、なんとも艶っぽいのです。ぬくもりを感じさせる触覚や、陰影のある造形、意外性のある素材の組み合わせなど遊び心満載です。ディテールをとことん追求する姿は、真の職人気質の造り手といえます。そして知らず知らずのうちに、私たちは彼が到達した独自の世界観に引き込まれてしまうのです。
ランチは村野の知られざる建築の美しさが残るレストラン「和食 清水」の個室でいただきました。豊穣な空間で建築談義に花を咲かせ、舌も目も、身体全体で村野建築を堪能した1日でした。
ところで、私はまだ初心者の域を超えていませんが、細々と茶道を習っています。村野はもちろんですが、かつての文化人・教養人は茶道を嗜むのが当たり前でした。茶道は総合芸術といわれています。茶道具、美術品、四季にちなんだ花、そこでのふるまいなど奥が深く、日々勉強です。茶室空間を真に理解するには、茶の湯の奥義を学ぶ必要があると思っています。
企画:和田菜穂子