TOUR

建築七福神ツアー2020

2020.01.05
https://accesspoint.jp/reports/%e5%bb%ba%e7%af%89%e4%b8%83%e7%a6%8f%e7%a5%9e%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc2020/

日時:2020年1月5日(土)9:00-16:00

参加者:7名

ナビゲーター:和田菜穂子


毎年恒例の建築七福神ツアー。「お正月にふさわしい7つの建築」を「建築七福神」に見立て、「7人の参加者」が「7つの建築」を巡るという企画です。今年で4回目に当たります。参加者にとっては当日まで行き先がわからないミステリーツアーです。それにも関わらず、今回はあっという間に定員に達しました。嬉しいことです!

 

私はいつも「晴れ女」を自称していますが、今回も期待を裏切らず、幸先よいスタートを切りました。今年はクイズ形式を取り入れ、正解者が旗を持ち、建物ごとに記念撮影しました。以下、建築七福神のラインナップです。

 

七福神1:《クリスタルビュー》(谷口吉生、1995)、《葛西臨海水族園》(谷口吉生、1989)

七福神2:《和田倉噴水公園レストラン》(丹下健三、1995)

七福神3:《大倉集古館》(伊東忠太、1928、増改築=谷口吉生、2019)

七福神4:《ホテルオークラ》(旧本館設計谷口吉郎1962、改修谷口吉生2019)

七福神5:《銀座線渋谷駅》(内藤廣、2020)

七福神6:《乗泉寺》(谷口吉郎、1964)

七福神7:《代官山ヒルサイドテラス》(槇文彦、1969)

 

今、話題の建築、見るべき建築をセレクトしました。存続の危機に瀕している《葛西臨海水族園》、リニューアルオープンした《ホテルオークラ》などです。谷口吉生はもともと私の好きな建築家の一人ですが、必然的に彼の設計した建築が建築七福神に選ばれました。《ホテルオークラ》は父谷口吉郎がデザインしたロビーを息子吉生が改修し、時代を経ても色褪せないアットホームな居心地の良い空間が継承されています。父吉郎が好んで使った「六角形」は、今回のツアーのキーワードの一つとなりました。もう一つは「水盤」です。谷口吉生は「水盤」を水鏡のように建物の前に設け、周囲のランドスケープに溶け込ませる手法をよく用います。《葛西臨海水族園》もそうですが、リニューアルオープンした《ホテルオークラ》でも《大倉集古館》の前に水盤を設けています。谷口吉郎の知られざる名建築《乗泉寺》にも六角形の霊堂と水盤があります。

 

東京建築アクセスポイントは、今後も建築の価値を伝える活動を続けていきたいと思います。有名無名にかかわらず、いい建築がどんどん滅失してしまう昨今、それらがなくなる前に、皆さんと一緒に建築空間を共有し、その記憶が心に刻まれるような思い出深いツアーをたくさん企画して参ります!

 

和田菜穂子

東京建築アクセスポイント代表