日時:2017年11月11日(土)14:00~17:00
見学場所:成城学園
参加者:9名
ナビゲーター:磯達雄
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秋も深まり、成城学園正門前に並ぶイチョウ並木も色づきはじめてきました。住宅建築で知られる増沢洵がキャンパス計画に関わった成城学園の見学をしました。
正門を入り広場を囲むように配置された1号館、2号館は増沢の設計です。中庭を囲むコの字型のプランである1号館は斜面地をうまく利用しています。現在は7号館がある場所に以前は、アントニ・レーモンドに影響を受けた折板構造の講堂が建っており、こちらも斜面を生かした座席の構成になっていたようです。2号館はセンターコアの周りに教室が配置される構成となっています。
旧図書館のある4号館には中心に積層書架というものがあります。最近の図書館ではあまり見られないつくりで、非常に興味深かったです。台に乗らなくても手が届くように天井が低くなっており、本棚同士の間隔も一人しか通れない距離ですが、まるで古本屋のような高密度感で、非常にワクワクする感覚を覚えました。
澤柳記念講堂は、成城学園50周年の際に建てられたもので、こちらも増沢の設計です。時を経て100周年となった現在は日建設計によるリニューアルが施されています。地下1階は大学の部活動の部室、地下2階は中高等部の体育館という使われ方をされており、大学だけでなく幼、小、中、高校が一つのキャンパス内にある成城学園ならではの面白さだと感じました。見学中も敷地内を大学生だけでなく、部活中の中高生が走り抜けていく姿を見かけました。
増沢が手がけた建物は時が経つにつれて、建替えられたりリニューアルされたりして使い続けられています。時代に合った姿へと大学キャンパスは更新されていくということが実感できたツアーでした。
レポート:中村 竜太(学生インターン)
早稲田大学 創造理工学部 建築学科3年