TOUR & LECTURE

レクチャー付ツアー「中銀カプセルと茶室空間」 vol.1 & 2

2017.05.03.
https://accesspoint.jp/reports/%e3%83%ac%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e4%bb%98%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%80%8c%e4%b8%ad%e9%8a%80%e3%82%ab%e3%83%97%e3%82%bb%e3%83%ab%e3%81%a8%e8%8c%b6%e5%ae%a4%e7%a9%ba%e9%96%93%e3%80%8d/

日時:2017年5月3日(水)9:30~12:00/13:30~16:00

見学場所:ニュー新橋ビル、静岡新聞・静岡放送東京支社、中銀カプセルタワー

参加者:5名(午前)、5名(午後)

ナビゲーター:和田菜穂子

 

 

ツアーのテーマはふたつ。①サラリーマンの聖地「新橋」、②黒川紀章と茶室空間

 

①サラリーマンの聖地「新橋」

待ち合わせ場所の新橋駅SL広場に隣接して「ニュー新橋ビル」(1971)があります。「中銀カプセルタワービル」(1972)の竣工とはたった1年違いです。どちらもサラリーマンを対象として建設されたビル、という観点でみていくと面白い比較ができます。ひとつは現在もサラリーマンで賑わう商業ビル。時代の変化に合わせて、店舗も更新されています。大型店舗の紳士服の青山がテナントとして入りましたが、昔はもっと小さな個人商店が軒を連ねていました。

もうひとつは「サラリーマンの隠れ家」のコンセプトで分譲マンシオンとして建設されたビル。現在は住居としてではなくオフィスの用途で用いられている部屋がほとんどで、実際は半分くらいしか稼働していません。

 

②黒川紀章と茶室空間

「壺中」という中国の故事をご存知ですか?壺の中のような限られた空間にこそ、時空を超え無限に拡がる宇宙観が存在することを意味しています。建築家黒川紀章はたった10㎡しかない「中銀カプセル」の居室をある意味「壺中」=「茶室的空間」と捉えていました。なぜなら黒川紀章は10代の多感な時期、疎開先の祖父の実家でわずか1畳台目の茶室を個室として使っており、一人で過ごす空間の寸法体系を茶室から学んでいたからです。黒川紀章が伝統的数寄屋建築、茶室を手掛けていることはあまり知られていませんが、実は数寄者の祖父ゆずりで茶の湯には造詣が深かったのです。

 

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午後の部のツアーの途中、幻のバー「ボルドー」へ入ることが出来ました!!

オーナーさんから、マッチ、灰皿、コースターをお土産にいただきました。

突然の訪問にも関わらず、どうもありがとうございました。

ボルドーに入ることができた感動をコラムに掲載したので、是非見てくださいね。

 

レポート:和田菜穂子