日時:2019年11月5日(日)
見学場所:《グランドプリンスホテル新高輪》村野藤吾、(1982)
参加者:7名
ナビゲーター:和田菜穂子
ゲストナビゲーター:佐藤健治(矩須雅建築研究所)
数寄屋建築の名手が手掛けた二つの茶室、秀明、恵庵を中心に「グランドプリンスホテル新高輪」(新高輪プリンスホテル1982年竣工)のデザインディテールの造形美を散策するツアーを開催しました。ゲストナビゲーターは元村野建築事務所の佐藤氏です。いつものように村野愛に溢れた解説でした。このシリーズは今回で4回目の開催となります。
熟練した村野の手仕事やディテールの造形美がホテルの随所にみられます。今回は幸運なことに《飛天の間》も見学することができました。あこや貝(実際にはマド貝)が天井いっぱいに張り巡らされた豪華な宴会場です。一つ一つ職人が手で貼っていったことを想像するだけで頭がクラクラしてしまいました(笑)。
ツアーの目玉である茶室恵庵(1985年竣工)は、村野が93歳時の最晩年の作品であり、遺作となったものです。衰えを知らない村野の意欲的な取り組みに脱帽です。ランチは知られざる名和室と言われているレストラン「清水」の個室でみなさんと共にスペシャルメニューに舌鼓を打ち、建築談義に花を咲かせました。
最後はわたしのお気に入りのバーあさまを見学して解散。 壁紙をよく見ると可愛いお姫様の物語が描かれています。居心地のよい革の椅子。滑らかなバーカウンターのへり。老境とはいえ、衰えることのない、いやむしろどんどん増していく村野の色気が充満した空間でした。
ナビゲーター:和田菜穂子