【東海大学代々木校舎】(1955年以降)
正門から入ると最初に見える1号館は表玄関の顔として威厳を放っています。しかし奥へ入ると、白いモダニズム様式の建物へとがらりと変わり、アクティブで瑞々しいキャンパスらしい雰囲気となります。キャンパスの中央にあるのがX字型の2号館。マッシュルーム型の庇の前でみんなで記念撮影。その奥にある4号館の学食でランチをいただきました。
旧逓信省の建物とはいえ、今もまだ現役のオフィスビルとして使われているのはうれしいことですね。正面の丸みを帯びたコーナーの造形は山田建築の特徴のひとつですが、裏へ回っても決して手を抜いていません。山田の挑戦的な造形力に対し、職人の技術力もきちんと追いついてます。
【銀座ニコンサロン】
山田守の孫にあたる山田新治郎の写真展へ。会場では山田氏本人によるギャラリートークを行いました。自分が生まれたときにはすでに他界していた祖父への想いが写真から伝わってきます。一定の距離を置きつつも、血縁者間の「魂の対話」みたいなものを感じました。会場でひときわ大きく引き伸ばされた解体現場の写真は、今年の夏に撮影した東海大付属4高(北海道)。「虫の知らせ」のようなものがあり、偶然グーグルで検索したら「学校閉鎖」の文字が・・。至急、電話で問い合わせをし、北海道へ飛び立ち、撮影したものだそうです。山田氏によると「建物が生まれてから死ぬまでのポートレートを撮影しているとしたら、この1枚は息絶える間際の一瞬を捉えたもの」とのこと。
レポート:和田菜穂子