GALLERY TALK

森美術館「建築の日本展」企画者によるガイドツアー

2018.08.01
https://accesspoint.jp/reports/%e6%a3%ae%e7%be%8e%e8%a1%93%e9%a4%a8%e3%80%8c%e5%bb%ba%e7%af%89%e3%81%ae%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%b1%95%e3%80%8d%e4%bc%81%e7%94%bb%e8%80%85%e3%81%ab%e3%82%88%e3%82%8b%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%83%89%e3%83%84/

日時:2018年8月1日(水)18:30~20:00

見学場所:森美術館「建築の日本」展覧会会場

参加者:20名

ナビゲーター:倉方俊輔

 

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展示内容は古建築から現代建築まで幅広い年代を取り扱い、年代順ではなく9つのカテゴリーに分類されています。最初のセクション「可能性としての木造」では、会場入口に北川原温の《ミラノ国際博覧会2015日本館 木組インフィニティ》の木組模型が設置され、展覧会のゲートとしての役割を担っていました。この展示は数カ所しかない写真撮影ポイントの一つです。

 

ところでサブタイトルには「その遺伝子のもたらすもの」と掲げられています。時代を超えて脈々と受け継がれてきた「遺伝子」が、カテゴリー別の展示だからこそ浮かび上がってくる構成になっています。

 

建築展のよいところは門外漢の鑑賞者にとっても、模型の展示が理解を手助けしてくれる点にあります。例えば東大寺南大門とメタボリズム建築。鎌倉時代に活躍した重源の大仏様と呼ばれる形式は日本人なら歴史で習った寺社建築です。かたや磯崎新のコンセプト模型は一般の人にはさほど知られていませんが、その未来的な造形から強いインパクトをもたらしています。一見すると異種な二つの建築ですが、それを見比べることで「遺伝子」なるものを汲みとるようになっているのです。

 

展覧会会場でのキャラリートークは、作品解説はもちろんのこと、企画者の意図や裏話が聞ける絶好の機会でもあります。ギャラリートークだから本音もありました。

 

レポート:和田菜穂子