TOUR

上野の杜のミュージアム建築

2017.08.06
https://accesspoint.jp/reports/%e4%b8%8a%e9%87%8e%e3%81%ae%e6%9d%9c%e3%81%ae%e3%83%9f%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b8%e3%82%a2%e3%83%a0%e5%bb%ba%e7%af%89/

日時:2017年8月6日(日)9:00〜12:00

見学場所:国立西洋美術館、東京文化会館、東京都美術館、国立国会図書館子ども図書館

参加者:10名

ナビゲーター:和田菜穂子

 

今回のツアーでは、上野の美術館建築をめぐりました。昨年世界遺産登録された国立西洋美術館(本館:ル・コルビュジエ、1959年)をはじめとして、東京文化会館(前川國男、1961年)、東京都美術館(前川國男、1975年)、国立国会図書館国際子ども図書館(久米正道、1908年)改修(安藤忠雄、2002年)と、日本を代表する近現代建築の顔ぶれを眺めることができます。

 

東京文化会館と東京都美術館は同じ前川國男による設計ですが、前者は56歳、後者は70歳、と建てられた年代にはやや差があります。文化会館は周囲の自然と調和しつつもどっしりとした威厳のある外観が印象的で、中に入ると天井の高低差や巨大な岩壁が立ち上がる大ホールなど、様々な顔がありわくわくとさせてくれます。一方東京都美術館の方はというと、複数の棟に分かれているように見えて、実は内部で連続している建物の中を歩いていると、一つの小さな街へ迷い込んで散歩しているような感覚に陥ります。

 

普段上野を訪れてもこの2つの建築をハシゴすることはなかなかないかもしれませんが、同じ建築家の年代による作品の差、というものを本で読むよりも一層強く感じられた体験でした。

 

また今回は参加者の方々の中に、西洋美術館の免震化工事に関わられた方や、美術館のガイドスタッフをされていた方などがいらっしゃったため、その都度お話を伺うことができました。関わる人の立場によっても建築を見る視点は様々で、それを参加者の間で共有できるのも、こうしたツアーの特長の一つだなと感じました。

 

展覧会やコンサートなどで利用する機会の多い上野の建築群ですが、建築を軸として訪れてみるというのは新鮮でした。皆さんも建築をテーマに散歩してみると、いつもの街がまた違った見方をして現れてくるかもしれません。是非、次の機会にご参加ください。

レポート:秋岡安季(学生インターン)
東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻
加藤耕一研究室 修士課程2年