TOUR

銀座レトロビルツアー vol.2

2017.06.03.
https://accesspoint.jp/reports/%e9%8a%80%e5%ba%a7%e3%83%ac%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%93%e3%83%ab%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc-vol-2/

日時:2017年6月3日(土)10:00〜13:00

見学場所:堀商店、ヨネイビル、丸嘉ビル、交詢ビル、電通銀座ビル、第一菅原ビル、和光(旧服部時計店)、教文館・聖書館、奥野ビル、鈴木ビル、岩瀬博美商店ビル、川崎ブランドビルヂング(旧宮脇ビル)

参加者:10名

ナビゲーター:和田菜穂子

 

本日のツアーは、10名の参加者の皆さんと一緒に、1920年代及び30年代に建設された銀座のビル群を見学しました。
中でもわたしが印象的だったのは、《奥野ビル》(1932、1934、川本良一設計)での出来事です。
こちらのビルは本館と新館が並んで建てられており、境界部分ではちょうど階段同士が隣あっています。
そして、膝の高さあたりのちょっと不思議な位置に窓があり、隣の建物の階段室が見えるようになっていました。
どうしてこんなところに窓が…と思いつつ階段を登っていくと、ある階ではその窓枠に綺麗な花が飾られており、そこがとても魅力的な場所に思えました。川元良一がどのような意図でこの窓を設計したのかはわかりませんが、使う人によってはそこは花を飾る素敵な家具にもなり得る、人次第で建物の文脈が変わるというのは古い建物が持つ魅力の一つではないでしょうか。
ツアーの最後、和田先生より参加者の方々に感想を伺うシーンがありましたが、
「普段前を通っていても気に止めなかった所に、こんな歴史があったなんて!」と多くの方が仰っていました。確かにわたし自身のことを振り返ってみても、銀座は買い物などで利用しますが、大抵行き先は決まっているのでその他の建物や町並みに目を向けるということはあまりしてきませんでした。
わたしたちは普段たくさんの街を利用していますが、「わたしはこの街を知っている」と本当に思える場所は案外少ないのではないでしょうか。お気に入りの建築や、そこに自分だけの小さな驚きと発見を一つ一つ見つけていく作業は、今まで通るだけであった場所のことを少しずつ知り、自分の街にしていく作業なのかもしれません。銀座の街が、少し身近なものに感じられるようになったツアーでした。
レポート:秋岡 安季(学生インターン)
東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻
加藤耕一研究室 修士課程2年