TOUR & LECTURE

夜の中銀カプセルツアー vol.2

2017.08.23.
https://accesspoint.jp/reports/%e5%a4%9c%e3%81%ae%e4%b8%ad%e9%8a%80%e3%82%ab%e3%83%97%e3%82%bb%e3%83%ab%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc-vol-2/

開催日:2017年8月23日

見学場所:《中銀カプセルタワー》

参加者:4名

ナビゲーター:和田菜穂子

 

今回のツアーレポートは学生インターンに登録したばかりの阿久根直子さんです。彼女はすでに一般参加者として6回もツアーに参加していますが、中銀カプセルでのツアーは初めてでした。

 

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ツアーはまず、中銀カプセルの外観を近くの歩道橋から観察する事から始まりました。1972年に建てられた中銀カプセルの外観が古びた印象を放つのに対して、首都高速を挟んだ向かい側のエリアでは真新しいオフィスビルが建ち並び、その対比に驚かされます。この歩道橋で簡単な解説が行われましたが、参加者の方達から早速様々な質問が飛び交いました。

 

ビルの中に入った後は、至る所で想像以上に老朽化した様子が見受けられ、その度に驚愕の声が上がりました。一方でコアとなる太い円柱を軸として展開される各部屋の配置は、やはり中に入ってみないと実感できません。さらにカプセル内に入ると、丸窓のデザインや造り付け家具のシステム等に感嘆しました。部屋の中を一通り見学したあとはスライドと資料を元にメタボリズム建築の基礎と中銀カプセルについて学びます。

 

スライドやビデオを通じて考えさせられるのは日本の建築を取り巻く環境の事。中銀カプセルに建築家と施主、居住者、外部の人間、それぞれの利害や思惑が複雑に絡んでいる様子を学び、ツアー参加者それぞれが「住む」機能を持つ建物について思案する様子が伺えました。

 

中銀カプセルの様な事例は氷山の一角に過ぎないと言います。世界的に著名な建築家が建てた特徴ある建物だから取り沙汰されているだけで、日本各地で似たような状況が起きている、と。

 

今回のツアーではメタボリズム・中銀カプセルを通じて日本の建築の行先を考える、短くも濃い時間となりました。

 

レポート:阿久根直子(学生インターン)

桑沢デザイン研究所デザイン専攻科1年