TOUR

白金・高輪・三田の名建築図鑑。vol.1&vol.2

2019.8.7/8.17
http://accesspoint.jp/reports/%e7%99%bd%e9%87%91%e3%83%bb%e9%ab%98%e8%bc%aa%e3%83%bb%e4%b8%89%e7%94%b0%e3%81%ae%e5%90%8d%e5%bb%ba%e7%af%89%e5%9b%b3%e9%91%91%e3%80%82vol-1vol-2/

日時:vol.1:2019年8月7日(水)10:00~13:00/vol.2:2019年8月17日(土)10:00~13:00

見学場所:《複合施設ゆかしの杜(旧国立公衆衛生院)》(内田祥三/1938)、《東京大学医科学研究所 近代医科学記念館》(2001)、《シェラトン都ホテル東京》(ミノル・ヤマサキ(内装:村野藤吾)/1979)、《慶應義塾大学図書館・旧館》(曾禰中條建築事務所/1912)、《三田演説館》(1875)

参加者:(vol.1)3名 / (vol.2)13名

ナビゲーター:和田 菜穂子

 

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東京建築アクセスポイント代表理事の和田先生は雑誌「東京人 7月増刊 白金を楽しむ本」で白金・高輪・三田の名建築について「名建築図鑑。」という記事を執筆されました。今回はその中で触れた名建築を巡るツアーでした。

 

まずは1938年に内田祥三によって設計された「旧国立公衆衛生院」を2018年に保存・改修した港区立郷土歴史館等複合施設《ゆかしの杜》に向かいました。この建物は設計者に因んで「内田ゴシック」と呼ばれる独特の様式で建てられています。一行はまず建物の前で他所に在る様々な「内田ゴシック」の建物と《ゆかしの杜》がどの様に異なるのかを学び、中に入った後は創建当時のまま残されている旧講堂、図書館、中央ホール、カフェ等を見学しました。保存・改修した建物は沢山ありますが、個人的に《ゆかしの杜》はその中でも元の建物を尊重し活かしつつ、丁寧な改修が施されている様子がとても印象的でした。

 

《ゆかしの杜》の隣には《東京大学医科学研究所》があります。これは「旧国立公衆衛生院」より3年前に先かげて内田によって設計された建物です。私達は敷地内にある《近代医科学記念館》(2001)を訪れ、様々な資料や当時の厩舎を模した建築を楽しみました。

 

そこから歩いて向かったのは《シェラトン都ホテル東京》(1979)。建物の設計をミノル・ヤマサキ、内装を村野藤吾が手掛けた建物です。村野の手掛けたデザインは残念ながら2000年以降の改修であまり残されていないとの事でしたが、《日生劇場》や《目黒区総合庁舎(旧千代田生命本社)》でも見られる村野独特の美しい階段は健在。何よりも手触りを大事にしたという手すりや優雅な曲線を描く階段の姿を堪能しました。

 

最後は慶応義塾大学三田キャンパスへ。まずは2017年から2年に及ぶ耐震改修を終えた《慶應義塾大学図書館・旧館》(曾禰中條建築事務所/1912)に向かいました。建築様式はネオ・ゴシック様式で、《ゆかしの杜》と類似の意匠がみて取れます。入口正面の階段を上ると踊り場には壁いっぱいのステンドグラスが掲げられています。

三田演説館は福沢諭吉が欧米から図面を取り寄せて建設した明治期の建物で国重要文化財。日本で初めて屋内で演説する為に造られたそうです。和田先生は慶応義塾大学で非常勤講師を勤められており、授業の一環で三田演説館の内部見学をしているとの事でした。また、大学において教員と学生は対等で、唯一「先生」と呼ばれるのは創設者の福沢諭吉だけ、など慶應義塾ゆかりのお話もありました。

 

イサム・ノグチと谷口吉生がコラボして造った「萬來舎(第2研究室)」はもう存在していませんが、「ノグチルーム」として蘇り、オリジナルの家具などが保存されています。外壁の修復工事中で中を伺い知る事は出来ませんでしたが、屋上庭園に残されている彫刻作品などと共にその由来を知る事が出来ました。

 

今回は建物の歴史に関わる人の営みを伺い知る事が出来たツアーになったのではないかと思います。

 

レポート:阿久根 直子

(サポートスタッフ)