TOUR

梵寿綱と巡る『生命の讃歌』トークツアー

2017.03.12.
https://accesspoint.jp/reports/%e6%a2%b5%e5%af%bf%e9%8b%bc%e3%81%a8%e5%b7%a1%e3%82%8b%e3%80%8e%e7%94%9f%e5%91%bd%e3%81%ae%e8%ae%83%e6%ad%8c%e3%80%8f%e3%83%88%e3%83%bc%e3%82%af%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc%ef%bc%88%ef%bc%91%ef%bc%89/

日時:2017年3月12日(日)10:00-18:00

見学先:斐醴祈(ルボア平喜)、きらめく器(ヴェッセル)、和世陀(ドラード早稲田)、和泉の扉(ラポルタ和泉)、舞都和亜(マインド和亜)、無量寿舞(向台老人ホーム)
参加者:16名
スペシャルゲスト:梵寿綱(建築家)
ナビゲーター:和田菜穂子

 

 

 

『生命の讃歌』の出版を記念して、梵氏自らが案内するスペシャルツアーを企画。1日かけて梵寿綱の建築を見て、話を聞き、魅力を知る、という濃い内容のツアーです。長時間一緒に過ごすことによって、初対面にも関わらず参加者同士の絆が深まり、ツアーの最後にはみんなすっかり打ち解けていました。そして梵寿綱の建築に対する見方がガラリと変わったことと思います。梵氏のフレンドリーな人柄とユーモアあふれる会話によって、ツアーは終始、笑顔で溢れていました。さて今回から登場したインターン1号の中村くんをはじめ、複数の学生が社会人に混ざり参加。梵氏のパッション溢れるトークにじっくりと耳を傾けていた彼らは、よい意味で刺激(洗礼?)を受けていたようです。

 

【斐醴祈(ルボア平喜)】1979 賃貸アパート・複合ビル   

池袋にある住宅金融公庫の集合住宅と平木屋のオフィスが併設した建物。アールヌーボー風のコンクリート彫刻が目を惹きます。さらに内部に入ると、エレベーターホールは摩訶不思議な空間になっています。なぜこのツアーを企画したのか、この空間はどうやって作られたのか、そして梵氏の略歴について、ここで簡単に説明しました。次に参加者同志チームに分かれ、クイズです。「梵寿綱と同じ歳の建築は誰でしょう?」

 

【和世陀(ドラード早稲田)】1983 集合住宅・店舗 

ここで梵氏と合流。建物の中にある細い路地の奥には天井からぶら下がった手が・・・。このアトラクション的な装置に驚く人が多いのではないでしょうか。この空間こそ梵氏が「アートコンプレックス」としてアーティストたちとの協働を意識し始めたものです。1階のアンティーク時計店で梵氏のレクチャーを受け、アートギャラリーで記念撮影。ギャラリーではいつでも書籍『生命の讃歌』のスペシャルエディション(帯が波打つバージョン)をご購入できます。

 

【木造住宅】1960年代

なんと今回はサプライズで、梵氏未発表の住宅を外観から見学。アメリカ留学前に設計した住宅です。やはり随所に梵氏の遊び心が見受けられます。未発表の建築はこのほかにもいくつかあるそうなので、今度は「会員限定ツアー」を組みたいと思います。みなさま「会員」になっていただけると嬉しいです。

 

【和泉の扉(ラポルタ和泉)】1990 集合住宅

鼻の突き出たペガサスと、正面入口の女性の巨大なコンクリート彫刻に圧倒される建物。アーティストの仕事も回を重ねるごとに大胆になってきます。エントランスホールに入ると、ステンドグラスの光がくねった女性の身体をさらに妖艶に見せ、奥には男根を象徴する柱がそそり立ち、エロティックな気分を盛り上げます。ここはラブホテルではありません。賃貸アパートです。

 

【舞都和亜(マインド和亜)】1992 集合住宅・店舗

梵寿綱と仲間たちの総力が結集した建物。外観は幾何学的でアールデコの変形のようでもあり、パッチワーク的に素材の組み合わせを楽しんでいるようでもあります。さて内部に入ってみましょう。(続く)

 

レポート:和田菜穂子