TOUR

東京建築☆七福神巡りトークツアー

2017.01.07.
http://accesspoint.jp/reports/%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e5%bb%ba%e7%af%89%e2%98%86%e4%b8%83%e7%a6%8f%e7%a5%9e%e5%b7%a1%e3%82%8a%e3%83%88%e3%83%bc%e3%82%af%e3%83%84%e3%82%a2%e3%83%bc/

日時:2017年1月7日(土)9:30~17:00

見学場所:中銀カプセルタワー、築地本願寺、善照寺、新宿ホワイトハウス、赤城神社、ドラード早稲田、東京カテドラル

参加者:7名

ナビゲーター:和田菜穂子

 

 

新春特別企画。開運招福「建築七福神」を巡るツアーを開催しました。「建築七福神」としてどこを巡るかは当日までの秘密。ナビゲーターが悩みに悩んでセレクトしたものです。1日に7つの建築を巡るのはかなりハードスケジュールでしたが、皆さんとお話ししながら、楽しい建築詣が出来ました!

 

【七福神1―中銀カプセルタワー】黒川紀章設計(1972)
新橋駅からスタートし、丹下健三の静岡放送・静岡新聞でメタボリズム建築の基本を学んでから中銀カプセルへ。こちらも残念ながら外観のみの拝観でしたが、今度3月から読書会をここで開催します。
中銀カプセルクイズ「カプセルは全部でいくつあるでしょう?」正解に最も近い方に「行動建築論」をプレゼント!一緒にメタボリズムについて勉強しましょうね。

 

【七福神2―築地本願寺】伊東忠太設計(1934)
インド、中国、トルコなどを旅し、仏教のルーツを辿った伊東忠太。新春企画では伊東忠太の建築には欠かせない、動物に注目するツアーとしました。翼のある獅子の前で記念撮影。飛躍の年になりますように。
ちなみに参拝記念で配布していた「諦」という一文字。「本来はあきらめることではなく、あきらかに見る、あるがままに見る、真理という意味。自身や他者、物事や出来事をあるがままに見るという視点を持つことで、私達の人生をより心豊かなものにできるか、新年を期して今一度かみしめたいものです」(築地本願寺宗務長 安永雄玄)
私たち「東京建築アクセスポイント」の活動も、建築をあるがままに見て、仲間たちとその経験を共有し、楽しさや豊かさを見出していきたいと思っています。新年にいい一言を頂きました。

 

【七福神3―善照寺】白井晟一設計(1958)
浅草のかっぱ橋からほど近い場所に、街の喧騒から外れて、静謐な空間がありました。エッセイ「豆腐」で「用の美」を唱えている白井ですが、この建物も白い豆腐を手のひらに乗せているかのように地面から浮いていて、絶妙な「美」のバランスを感じとれます。

 

【七福神4―新宿ホワイトハウス】磯崎新設計(1957)
前衛芸術家吉村益信のアトリエで、赤瀬川源平や篠原有司男らネオ・ダダの活動拠点だった住宅です。今では「カフェ・アリエ」という、とても穏やかで居心地のよいカフェになっています。人が集まる場の雰囲気は今も昔も変わらないのでしょう。ここでランチを食べました!

 

【七福神5―赤城神社】 隈研吾設計(2010)
老朽化した社殿と閉鎖した幼稚園の跡地に、三井不動産が70年の定期借地権付きの賃貸マンションを建設。隈は「赤城神社再生プロジェクト」と題し、現代風にアレンジした新しいタイプの神社&マンションのコンプレックスを設計。
若い参拝客が列をなしているのにビックリです!

 

【七福神6―ドラード早稲田(和世陀)】梵寿綱(1983)
本日のハイライト!!「日本のガウディ」と称される梵寿綱さんが登場。この建物が完成に至るまでどのような経緯を辿ったのか、また建築家としての社会的役割など、深いお話しをしていただきました。

この建物は特徴的な外観が通りゆく人々の目を惹き付けますが、入口の奥にはまるで「秘境」のような濃密な空間が広がっています。芸術家との協働であるこの空間は、誰に対しても開いており、勇気を出して一歩踏み込めば、魅惑の空間を体験することができます。緩やかなカーブの細い通路の突き当りに、神の手(!?)がぶら下がっているのが見えてくるでしょう。

 

先日お伺いした際、梵さんはこの空間を「日常におけるイニシエーション体験」とおっしゃっていました。つまり日常空間に人生の通過儀礼のような世界観を取り入れたかったのだと。梵さんの哲学や思想に共感した若手アーティストたちが集まり、「エルドラド=黄金郷」を作り上げました。最初は梵さん自らが家族と一緒に外壁を制作していて、それが話題になり、次第にアーティストたちが集まってきたようです。予算と工期が限られていたため、梵さんは彼らと協働することにしました。千載一遇の機会を与えられた彼らはその期待に応えようと、切磋琢磨にこの建物に見合う表現を試みました。梵さんは彼らを信頼して、設置場所だけ指示し、それ以外は何も指示しませんでした。建築家も芸術家も建設業者もクライアントも、みんな初めてのことで必死でした。私は何よりもこのプロセスが素晴らしいと思いました。腕の立つ職人に頼んで、自分のアイディアを実現させるガウディとはコンセプトが全く異なります。今の日本の建築界には、このような梵さんの姿勢を受け継ぐ建築家が果たしているのでしょうか・・・

 

【七福神7―東京カテドラル聖マリア大聖堂】丹下健三(1964)

日本を代表する建築家丹下健三の傑作のひとつ。HPシェル構造による均整のとれた佇まいは本当に息を飲むほど美しかったです。黄昏時に夕空を見上げると、澄んだ空には白い朧月が浮かんでいました。鐘楼の先端にある十字架は、夜になるとライトアップします。幻想的な世界を味わうには夕暮れ時がおススメですね。
最後に丹下クイズ「この建物は3名による指名コンペで行われました。丹下健三と前川國男と、もうひとりは?」

 

7つの建築を巡る「建築七福神トークツアー」は、クイズを交えながら福袋(景品)が当たる、という企画を設けました。建築雑学(ミニ知識)もついたのではないかと思います。このように、少人数で1日かけて建築巡りをするツアーもいいですね。今年もどうぞよろしくお願いいたします!!

レポート:和田菜穂子